【スゴデザ】あなたの名字が動物に!WWFの画期的なマーケティング成功事例
スゴデザ‐マーケティングの成功事例-
秀逸にデザインされたマーケティングの成功事例を紹介します。
「WWF」とは?
WWF(World Wide Fund for Nature)は人類が自然と調和して生きられる未来を目指し、約100カ国で活動している世界最大級の環境保全団体です。活動としては寄付金を募り、それらを気候変動、森林保全、海洋保全、水産物管理、綿花や砂糖などの農産物、水など多岐にわたる人間の持続可能な環境づくりに利用しています。
今回の「WITH STAMP」は約2万4000種以上の野生生物に迫る絶滅の危機について学び・支援するプロジェクトの一環として行われました。
「WITH STAMP」とは?
「WITH STAMP」は2017年にWWFジャパン(公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン)が行ったキャンペーン施策です。
キャンペーンの目的は絶滅の危機に瀕した動物たち状況を、少しでも多くの方々に知ってもらうためきっかけをつくり、寄付活動への参加ハードルを下げることでした。
具体的な背佐久としては専用ページから自分の「名字」を入力すると、絶滅の恐れがある動物のシルエットが漢字の一部になった自分だけの「WITH STAMP」が作れるというものでした。作成したスタンプは、SNSに投稿できるだけでなく、実際に購入(¥1,700税・送料込)することもでき、その購入代金の一部がWWFの環境保全活動へ寄付される仕組みです。ハンコは宅配便や領収書の認印など日常的に使用可能なものでした。
秀逸なデザインのポイント
この「WITH STAMP」のマーケティング的な秀逸さは以下の2点と考えます。
日常的な話題への落とし込み
絶滅危惧種の保護という極めて非日常的な社会課題を「少しでも多くの方々に知ってもらうためきっかけをつくり、寄付活動への参加ハードルを下げる」というゴールに結びつける時、この施策では「絶滅危惧種を身近な存在にする」というデザインが行われています。「ハンコ」という日常的に使うものと「名字」という誰しもが持つ身近で普遍的な資産を利用することによって非日常的な社会課題を日常的な話題へと落とし込んでいる施策と言えます。
このように、課題を考える時にゴールに必要な要素(要件)を考えてそこから発想のヒントを得るといいアイデアが浮かぶかもしれません。一般にはアナロジー発想と呼ばれる発想法です。
話題の拡散性
この施策では、ハンコの購入を行わなくても自身の名字で作られた動物ハンコの画像をSNSでシェアすることが可能でした。
「ちゃんりおメーカー」や「○○診断」のようにパーソナライズされたコンテンツをシェアするのが好きな日本人の心をくすぐることで、生活者の「おもしろいものをシェア・自慢したい」という心をくすぐり、購入には至らない生活者を広告塔に仕立て上げて、キャンペーン施策の拡散を成功させました。
このように、施策に関与する生活者を何層かのランクに分けて考えることで、施策の幅や奥行きを拡げ・深めることが可能になるかもしれません。
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