【例でわかるデザイン思考】オロナインの「さわる知り100」という画期的なマーケティング成功事例【スゴデザ】
スゴデザ‐例でわかるデザイン思考-
「スゴデザ」ではデザイン思考を活用したマーケティングの成功事例を紹介します。
「さわる 知り100」とは?
「さわる知り100」は2014年から始まった大塚製薬の「オロナインH軟膏」のコミュニケーション施策です。正式名称は「知ったつもりにならないでリアルにさわってみたい日本の100」。その名の通り、「世の中の触ったことがないようなものに触る」ということを動画やグラフィックなどのコンテンツにしました。
たとえば、「ぬかどこにさわる」「氷瀑にさわる」「カメレオンにさわる」「ウニにさわる」といったように日常ではなかなか触れる機会はないものの、さわってみたくなるものに実際にさわっている様子をコンテンツにしています。
日本文化の紹介のエッセンスも入っているので、海外の人に見せても興味を引かれるような内容かもしれません。
秀逸なデザイン思考のポイント
この「さわる知り100」のマーケティング的な秀逸さは以下の2点と考えます。
製品体験の拡張
従来はオロナインというと「色々な傷や肌の不調に効く塗り薬」というイメージで広告の訴求も機能的価値の訴求が中心になっていました。しかし、このコミュニケーションは薬を塗る前のシーンを中心に訴求することオロナインの体験価値を「さわる」行為まで拡張することに成功しました。
宣伝や広告を考えるときに、ついつい製品が消費されるタッチポイントに目がいきがちですが、製品が使われる前後の体験にはどのような文脈があるのかを考え、拡張して考える中で体験のコアは何かを考える方法は参考になりそうです。
ポジティブな意味転換
それに伴い、従来は「傷や不調を治すためのもの」だったオロナインは「さわるというチャレンジを支える・サポートするもの」というポジティブな意味合いの中でとらえられるようになりました。受験勉強のお守りのような立ち位置で日々の「さわる」をサポートしてくれるようなイメージを訴求することに成功したと言えそうです。
このようにネガティブな状態を0に戻すような製品の場合、その製品をポジティブに表現するとどうなるかを考えてみると新たな価値を発見できるかもしれません。
さわる知リ100 Supported by オロナインH軟膏
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