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デザインの視点から商品やサービスのマーケティング事例を考察するブログ

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マーケティングにも新規事業開発にも使えるデザイン思考とは?

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マーケティング=フレームワークの誤解

マーケティングというと一般的にには「4P」「3C」「STP」といったフレームワークで考えることだと思われています。

経営学の参考書やMBAなどの講義を聞くと、外部環境を「3C」や「SWOT」で整理して「STP」や「4P」を決めていくというようなお作法が大事かのように錯覚してしまう人が多くマーケティングに関する誤解が広がっています。

マーケティングとは?

人によって定義は様々ですが、究極のマーケティングとは「何もしなくてもその製品やサービスが買われる状況を作る」ことだと言われています。

4P的にいうと

「商品・サービス(Product)」のメリットが「きちんと伝わり(Promotion)」、適切な「チャネル(Place)」に適切な「価格(Price)」で届く状態を作ること

がマーケティングのゴールです。

このゴールを狙うにあたって重要なのはフレームワーク通りに考えることではなく、以下の3つのポイントを外さないことです。

デザイン思考によるマーケティングの考え方

アイデアをすぐに考えない

自社の製品やサービスをもっと売りたいと考えた時に陥りがちなのが

「どんなプロモーションを売ったらこの製品を使ってもらえるだろう?」

「どんなコピーを付けたら魅力的なサービスに思われるだろう?」と

いきなり施策アイデア(HOW)を考えてしまうことです。

まずJOBを考える

大事なのはその製品やサービスを買う人や使う人が

「何の目的でそれを買うか(WHY)」を考え抜くことです。

ドリルを買う人は「ドリル」という物体が欲しかったわけではなく、「穴」が欲しいのです。つまり、「穴をあける」という目的があって、それを満たすための手段としてドリルを選ぶのです。

マーケティングにあたっては自社の製品やサービスが何の目的を満たすのかを考えることが大事です。この目的(WHY)のことを最近流行しているJOB理論では「ジョブ(JOB)」と言います。

「ジョブ理論」は 「人がモノやサービスを採用する(雇用する)時、 モノやサービスを通じて成し遂げたいこと(ジョブ)がある」 という考えに基づいた理論です。

マーケティングは体験の創造である

このJOBを発見したら、さらに一歩踏ん張ってそのJOBの先にどんな体験があるかを考えましょう。

ドリルと穴の例で言うと、生活者が欲しいのは穴ではなく、穴を使った体験のはずです。壁に穴をあけてフックを差し込んで帽子掛けを作りたかったのだとしたら、生活者が真に欲しているのは「帰ったときに帽子を安全そうな場所に置く」という体験です。

この体験を満たすことを考えた時にもしかしたら作るべきはドリルではなく、吸盤のような仕組みで壁につけられる帽子掛けかもしれませんし、平らな場所に置いても型崩れしない防汚機能付きの帽子かもしれません。

大事なのはこの生活者が求めている体験を捉えることで、ここを抑えればそれを叶える手段やそれに代わる手段は必ず世の中に必要とされるものになるということです。

人がお金を払ってでも成し遂げたい体験を見つけ・それを叶える製品やサービスを作れれば「何もしなくてもその製品やサービスが買われる状況を作る」というマーケティングのゴールは達成できます。

日ごろからこの3つのポイントを肝に銘じて「マーケティング」に取り組みましょう。

 

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