デザインフォワード

デザインの視点から商品やサービスのマーケティング事例を考察するブログ

MENU

ブログタイトル

日本企業による秀逸なサービスデザインの事例4選

f:id:massam-forward:20190114125629j:plain

日本企業に欠かせない“サービスデザイン”

「モノ」から「コト」へという消費の変化は多くの方が聞いたことがあると思います。
しかし残念なことに、多くの場合で「コト」というのは「車を買うより海外旅行」というような単発のサービスの購入という文脈で語られています。
本来の「コト」というのは体験そのものを指しており、購入も含めた認知や利用など一連の体験価値、すなわち全体としてのサービスデザインが求められています。
特に生活者の嗜好の多様化やメーカー競争の激化によってモノでの差別化が難しくなった日本企業にとってはこの“サービスデザイン”の視点が競争力強化のために重要になってきています。
この記事では様々な分野での日本企業によるサービスデザインの事例を紹介します。

質屋のサービスデザイン事例:CASH

「CASH」は目の前のブランド品を写真撮影してアップするだけで見積額が提示され、承諾すれば、即座に現金を得ることができるサービスです。
品物は2週間以内に発送することで取引成立となります。
従来の質屋やメルカリなどの「商品の選定~配送・来店~取引成立」といった一連の体験の煩雑さや手間を「撮影~即見積」と削減することで、現代風に質屋のサービスをデザインした事例になります。

cash.jp

ゲームのサービスデザイン事例:「My Crypto Heroes(マイクリ)」

「My Crypto Heroes(マイクリ)」はブロックチェーン技術を活用したゲームです。
従来のゲームがハードとソフトを購入するいわば「消費型」だったのに対して、ブロックチェーンゲームはキャラクターやアイテムの売買が可能になる「投資型」のゲームです。
ブロックチェーンによってアイテムなどの希少性が担保されるとともに、取引情報も記録されていくために、現物資産のような投資感覚でゲームを遊ぶことができます。
「My Crypto Heroes(マイクリ)」は世界中の偉人を育てて、クエストでCPUやプレイヤー同士 で戦うゲームです。
アイテムが25万円相当で取引されるなど、ブロックチェーンゲームはゲーム自体のサービスデザインと呼べると思います。

www.design-forward-neta.com

 

飲食店のサービスデザイン事例:「29ON」

「29ON」はfavyという会社が運営する完全会員制の肉料理専門店です。
14,000円の年会費で高級肉が毎回5,000円で食べられるというサブスクリプション型のビジネスモデルを導入しているところが従来の飲食店とは一番の違いになります。
店に行ってただ食べるだけの従来の飲食店とは違い、完全会員制にすることによる特別感のある継続的な食事体験を得ることができます。メニューはおまかせのみというサービスデザインも、何度も通うことを必然にしています。
そのほかにもWeb予約や完全2部制といった予測不可能な部分をなくし、効率的に店舗を運営する工夫も見られます。

29on.jp

寄付のサービスデザイン事例:「SOLIO」

「SOLIO」は「ポートフォリオ」を通じて寄付をするプラットフォームです。
従来の寄付は一つ一つの寄付先に対して生活者が個別に寄付金を支払うというサービスでしたが、「SOLIO」は投資のように応援したい分野を選ぶだけで寄付金が該当する団体に割り振られていくサービスです。
寄付に関する煩雑さや情報収集に関するコストを低減することで生活者に対してより多くの寄付金を支払ってもらうようなサービスデザインといえます。

solio.me

まとめ

様々な領域で進んでいく包括的な体験価値のデザインとしての「サービスデザイン」。
皆さんが身近に接しているサービスももっと広い視点で見たら進化するかもしれません。サービスデザインやその根本にあるデザイン思考を頭の片隅に入れながら毎日を過ごしてみてはいかがでしょうか?

www.design-forward-neta.com