デザインが世界を変える~3分でわかるデザイン思考入門~
デザイン思考の「デザイン」とは?
「デザイン」と聞くと世の中の大半の人は、「グラフィックデザイン」や「プロダクトデザイン」など、美大の人がAdobeのソフトを使って試行錯誤するような目に見えるものを綺麗にする・整える行為を思い浮かべるでしょう。
一方で、デザイン思考やサービスデザインなどで語られているデザインは「世の中をより滑らかにつなげる行為」です。
「グラフィックデザイン」は視覚情報と人を「プロダクトデザイン」はモノと人を滑らかにつなげる行為であり、これらは広い意味での「デザイン」行為の一部にすぎないのです。
「サービスデザイン」は企業などから提供される有形・無形の一連のサービスと人を滑らかにつなげる行為であり、「UXデザイン」は有形・無形の一連のサービスと人を滑らかな体験でつなげる行為と言えます。
IDEOなどの影響で日本でも定着しつつあるデザイン思考は「世の中をより滑らかにつなげる行為」の幹となる思考法です。
3分でわかるデザイン思考入門
「世の中をより滑らかにつなげる行為」の幹となる思考法であるデザイン思考。実は仕事に限らず、恋愛や育児、介護にも使えるエッセンス満載です。
デザイン思考は大きく課題の発見と素早いプロトタイピングに分かれます。
すごく簡単な例で紹介してみます。
デザイン思考のポイント①課題の発見
あなたが小学生くらいの子どもを持つ親だとして、子供が「虫かごが欲しい」と言い出したとします。
この時、一番シンプルに問題と課題をとらえると以下のようになります。子供が行ってることを丸のみした感じです。
「問題」・・・虫かごがない
「課題」・・・虫かごが必要
しかし、急に言われても家に虫かごはありません。きっとあなたはこう課題を捉え直すはずです。
「問題」・・・虫かごがない
「課題」・・・虫かごが必要 → 虫を入れる容器が必要
恐らく子供は、虫を入れる容器は虫かご以外ありえないという固定概念があり、虫かごがないという問題を解決する唯一の選択肢として虫かごを要求しています。
しかし、子供自身が気づいていない潜在的な欲求は「虫を容器に入れたい」ということであり、この課題を発見したあなたはペットボトルのような虫を入れる容器を子供に渡すはずです。
このように人が「どうせ無理だ。他に選択肢なんてあるわけがない。」と潜在的に諦めてしまっている課題を発見することが「世の中をより滑らかにつなげる」ことを目指すデザイン思考の重要なポイントです。
デザイン思考のポイント②素早いプロトタイピング
プロトタイピングという言葉を聞きなれない人も多いかと思いますが、簡単に言うとアイデアの試作とその検証です。これを素早く回していくことが、「世の中をより滑らかにつなげる行為」をより精度高く実現することにつながります。
以下はデザイン思考の本家であるIDEO社のiPhoneアプリのプロトタイピング事例です。
プロトタイピングというと時間やお金をかけて本番と瓜二つのものを作るようなイメージがありますが、大事なのはその解決策が有効かどうかが分かればよいということです。
最終的な見た目を判断したいのであれば綺麗に外見を作りこむ必要もありますが、上記のビデオのようにその商品やサービスを通じて人がどう感じるかを知りたいのであれば、iPhoneアプリをプログラミングして開発することなく紙と人だけで試せば時間もおお金も節約して、さらなる改良にリソース割けます。
このように「世の中をより滑らかにつなげる」モノやサービスをより早く安く作ろうとする姿勢もデザイン思考の重要なポイントです。
今すぐ始めようー「課題の発見」と「素早いプロトタイピング」
読んでいただいて分かるように、きっとあなたも日常生活の中でデザイン思考を無意識的に行っていると思います。
しかし、いざ仕事や家庭の中で課題に直面すると表面的な課題を鵜呑みにしてしまったり、誰も喜ばないようなものに時間やお金をかけてしまったりという失敗をしてしまいます。
「課題の発見」と「素早いプロトタイピング」
この2つのステップを日常的に意識して「世の中をより滑らかにつなげる行為」をすれば、あなたもデザイン思考を使って世界を変える一員になれるでしょう。
このブログで紹介する事例を通じて、実際にデザイン思考やサービスデザインがどのように世の中で活用されているか、その気づきを与えられたら幸いです。
デザインで世界を変えましょう。