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事例で解説!ブロックチェーンによる「スマートコントラクト」の特徴とは?

 ブロックチェーンとは?

ブロックチェーンはビットコインの中核技術を原型とするデータベースです。FinTechなど、オープンな金融サービスを実現する有望な技術として注目されるほか、以下のような特徴を備えていることから様々な分野での活用が期待されています。

ブロックチェーンとは、①複製困難性②非中央集権③トラストレス④データの資産性を特徴とする分散型の情報記録台帳のことです。

3分で分かる「ブロックチェーンとは?」~初心者向けの仕組みと特徴まとめ~ - デザインフォワード

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スマートコントラクトとは?

スマートコントラクトはひとことでいうと「契約の自動化」です。

契約というのは以下の①~④の4つのステップで成り立っています。ブロックチェーン上でこれらが自動的に実行されることで、ユーザー同士での直接取引を行うP2P(Peer to Peer)での非中央集権型のサービスを実現でき、社会に大きな変化をもたらす可能性があると言われています。

⇒以降は自動販売機の事例で具体的に内容を説明します。

①契約内容の定義

⇒「設定金額を利用者が入れて、特定の飲料のボタンを押した場合、代金と飲料を交換し、飲料を提供する」ということがメーカーによって予め決められています。

②イベントの発生

⇒「のどが渇いた人が実際に120円を入れて『お茶』のボタンを押します」

③契約の執行・価値の移転

⇒「ガタンと『お茶』が出てきて、『お茶』と120円は交換されます」

④決済

⇒「この瞬間に契約は完了します」

スマートコントラクトの特徴

①トラストレス

今までの契約は「ちゃんと契約を履行してもらえない」というリスクがあったため、何らかの方法で相手への信頼が必要不可欠でした。たとえばお金の貸借で考えてみると、借りた側が契約を履行してくれなかったら貸した人が損失を受け、不履行の場合には取り返すためのコストがかかりました。そこで今までの契約は信頼のおける仲介者を間におくことで取引しており、その分の仲介手数料などがかかってしまいました。スマートコントラクトは、ブロックチェーンによる分散処理によって契約が勝手に履行されるため、上記の信頼や問い合わせ、仲介手数料といった中央集権的な取引でかかっていたコストがなくなります。このようにスマートコントラクトでは「暗号」によって証明する「電子決済システム」なので、「信頼できる第三者機関・仲介者」を必要とすることなく、自発的な当事者間で直接に取引が行われるようにすることが可能になります。

②自動取引

ビットコインなどの通常のブロックチェーンには送金関連の取引内容のみしか記録できないのに対して、イーサリウムをはじめとする「スマートコントラクト」に対応しているブロックチェーン上には契約の内容まで記録できるため、第三者の介入なく自動的に取引が実行されるような契約が可能になります。

 スマートコントラクトの展開可能性

ブロックチェーンというと仮想通貨がイメージされ、金融分野での利用がまずはあたまに浮かぶでしょう。金融分野ではスマートコントラクトによって金融機関を通さない取引など仲介者不在の自律分散型サービスが増え、金融機関や通貨、金融サービスの範囲が変わって産業の構造も変化していくことでしょう。一方、非金融の分野では、P2Pの電力取引や不動産登記、シェアリングエコノミーやIoT、著作権保護など契約を伴う様々な産業での取引活動全般へスマートコントラクトの活用が進んでいきそうです。