【スゴデザ】クリネックス「Tiny Doll」の画期的なマーケティング成功事例【CANNES LIONS2018】
スゴデザ‐マーケティングの成功事例-
秀逸にデザインされたマーケティングの成功事例を紹介します。
「Tiny Doll」とは?
日本でもおなじみのティッシュブランド「クリネックス」がタイで最高品質のティッシュを発売するにあたって「Tiny Doll」という動画を制作しました。課題はクリネックスブランドの向上にありました。
学校でのいじめ率が世界で2番目に高いと言われているタイ。年間60万人の子供がいじめにあっている計算です。子供が流す涙の多くがいじめに起因すると考えたクリネックスは実在のRika Ishigeを題材にいじめにあっている女の子が自らの内面に向き合いながら総合格闘技(MMA)のチャンピオンになるサクセスストーリーを描きます。
動画は国内外で580万回以上再生され、「Tiny Doll」は「CANNES LIONS2018」の「Health & Wellness Lions」でGold Lionを獲得しました。
秀逸なデザインのポイント
この「Tiny Doll」のマーケティング的な秀逸さは以下の2点と考えます。
製品の情緒的な意味転換
通常、ティッシュの宣伝文句と言えば、「肌にやさしい」や「超濃密2枚重ね」など製品の機能的な価値を訴求するにとどまってきました。しかし、この「Tiny Doll」ではティッシュをただ単に「液体を拭くもの」という機能的な価値から「人が強くなるためのパートナー」という情緒的な体験価値まで拡張して訴求しました。
このように機能的価値から体験価値へ拡張したことが共感を産むコミュニケーションをもたらしたのではないでしょうか。
社会と製品の接点の巧みな創出
タイという国でティッシュという製品がどのような役割を果たせるかという問いに対して、いじめの多いタイではクリネックスはいじめられてる人がいじめを克服するよきパートナーになりうるという解を提示しています。タイにおいて共感を産みやすい「いじめ」というテーマの中で「クリネックス」ブランドの存在意義を見出した接点の創出が見事です。
自分が携わる製品がその国・街の社会でどんな役割を果たしうるかという視点は役に立ちそうです。
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